Last Up Date : 2006-03-22
Since : 2006-03-22

MARS for MS-DOS を Mac OS X で動かす


Agenda.

0.導入
1.エミュレータの導入
2.FreeDOS/Vの導入
3.MARS for MS-DOS の導入

<= 1.エミュレータの導入 3.MARS for MS-DOS の導入 =>


2.FreeDOS/Vの導入

 エミュレータソフトにより、OS を動作させる環境は整備できました。次に、具体的に OS を準備する必要があります。
 MARS for MS-DOS は MS-DOS 向けなので、一番いいのは MS-DOS を用意することです。しかし、現在では発売が中止されているので、入手が困難です。
 そこで、MS-DOS 互換の OS である FreeDOS を準備することとします。 FreeDOS はフリーで手に入れることができるソフトウェアです。
 さらに、MARS for MS-DOS は日本語環境で動作することを前提としています。そのため、なんとかして FreeDOS を日本語化する必要がでています。

 そんな中、 FreeDOS を日本語化して公開されている方がいらっしゃいます。せっかくなので、利用させていただきましょう。

 水城 珠洲さんのFreeDOS/V配布ページへアクセスします。
 この文を書いている時点での最新版は、「第49回公開版:VOL138」です。1.44M2HD版である fdos0138.lzh をダウンロードします。保管先は暫定的にデスクトップとします。

 ダウンロードしたファイルは LHA により圧縮されています。そのため、何とかして伸張しなくてはいけません。Mac OS X で lha 形式ファイルの伸張には、 StuffIt Expander を利用することで対応することができるでしょう。

 ファイルの伸張を行うと、 FDOS0138.IMG および、 README.1ST の二つのファイルを得ることが出来ます。
 2つのファイルは、1.エミュレータの導入で作成した /Applications/Q/ の中に img という名前のフォルダを作成し、この中に移動させます。

 先ほど保管したファイルは、日本語化された FreeDOS(FreeDOS/V)のフロッピーディスクイメージです。フロッピーディスクの容量は、1.44MBytesのためそのまま MARS for MS-DOS をインストールしようとすると容量不足のためコピーに失敗してしまいます。
 そこで、FreeDOS/V 環境を仮想ハードディスク環境を準備します。

 まず、 ターミナル.app を起動します。

ターミナル.app が起動したら、以下のコマンドを実行します。
$ cd /Applications/Q/img/
$ dd if=/dev/zero of=FreeDOS.img bs=512 count=10240

 このコマンドは、空のハードディスクの準備に相当します。

 それでは、いよいよ設定を開始します。
 Finder から アプリケーションQQ.app を選択し、ダブルクリックをして起動します。
 起動すると、以下のダイアログが表示されます。

Q Control

 ここから、新しい設定を作成するため アイコンを押下します。すると以下のようなウィンドウが表示されます。
 そこで、ウィンドウと同じように Name:smb FilesharingDrives: などを設定します。

Q My new PC General

 さらに Hardware アイコンを押下し、さらに設定を進めます。以下のウィンドウと同様に、 Networkcard:Floppy:Harddisk:CD-ROM:Boot from: などを設定します。
 特に、Floppy:Harddisk: は、 Choose Diskimage...を選択し、 アプリケーション から選択します。
 Boot from:Floppy にするのを忘れないようにしてください。
 すべて設定が終了したら、 Create PC ボタンを押下します。

Q My new PC Hardware

 すると、最初に起動したダイアログに FreeDOS と書かれた欄が表示されます。

Q Control Created

 FreeDOS の欄をダブルクリックすると、以下のように新しいウィンドウが表示され、 FreeDOS/V が起動します。

QEMU FreeDOS(1)

 この画面から、以下のコマンドを実行します。

> fdisk

 すると、以下の画面が現れます。

FDISK

 Do you want to use large disk (FAT32) support (Y/N).[Y]?

 Y を押下します。

 同様に、以下のものを選択し、 enter を押下します。

 1. Create DOS partition or Logical DOS Drive

 1. Create Primary DOS Partition

 Do you wish to use the maximum available size for a Primary DOS Partition
  and make the partition active (Y/N).....................? [Y]

FDISK Finished

 ここまで完了したら、 fdisk を終了するために esc を2回押下します。
 すると、以下のメッセージが表示されます。

 You MUST restart your system for your changes to take effect.
 Any drives you have created or changed must be formatted
 Ater you restart

 ここまできたら、電源マークアイコンを押下します。すると、 Shutting down Guest PC と確認ダイアログが表示されるので、 Don't save PC を押下します。すると、ウィンドウが閉じます。もし、マウスカーソルが全く表示されない状態に成っている場合は、 Control + Option でカーソルが表示されるようになると思います。


 一度ウィンドウを閉じたら、再び最初のダイアログの FreeDOS 欄をダブルクリックします。

 起動が完了したら、以下のコマンドを実行します。
> format c: /s

 すると、以下のメッセージが表示されます。

WARNING: ALL DATA ON NON-REMOVABLE DISK
DRIVE C: WILL BE LOST! PLEASE CONFIRM!
Proceed with format (YES/NO)?
 フォーマットを実行するため、YES と入力し、 enter を押下します。
 すると、以下のメッセージが表示されます。
## Boot sector unreadble, disk not yet formatted
 Disk size: 4988 kbytes, FAT12. ***
Cannot find existing format - not saving UNFORMAT data.
Please enter volume lable (max. 11 chars):
 ここではボリュームラベルを問われているので、 FREEDOS を入力し、 enter を押下します。

 このコマンドを実行することで、フォーマットが完了しました。
 ここまで完了したら、電源マークアイコンを押下します。すると、 Shutting down Guest PC と確認ダイアログが表示されるので、 Don't save PC を押下します。すると、ウィンドウが閉じます。

 この段階で、仮想ハードディスクの下準備が完了しました。この仮想ハードディスクに FreeDOS/V の環境を準備することとなります。
 一番簡単な方法は、ダウンロードしたディスクイメージに含まれているファイルすべてをコピーすることです。
 コピーの方法は非常に単純です。 Finder から アプリケーションQimg にアクセスします。
 ここで、 FDOS0138.IMG をダブルクリックします。するとデスクトップに FREEDOSV という名前のドライブが現れます。さらに FreeDOS.img をダブルクリックします。するとデスクトップに FREEDOS という名前のドライブが現れます。

 FREEDOSV はフロッピーディスクのイメージファイルの中身であり、 FREEDOS は仮想ハードディスクのイメージファイルの中身です。

 FREEDOSV ドライブをダブルクリックすると、 Finder で中を見ることができます。同様に FREEODS ドライブもダブルクリックし、中を見ることとします。
 フロッピーディスクのイメージに含まれるすべてのファイルをコピーすればよいので、 FREEDOSV の中のファイルすべてを FREEDOS の中へコピーします。COMMAND.COMと、KERNEL.SYSはもともと FREEDOS ドライブ野中に存在するため、置き換えを行うかどうか尋ねてきますが、置き換えを行っても行わなくてもかまいません。

 コピーが完了したら、 FREEDOSVFREEDOS ドライブともに必要ありません。ゴミ箱に捨ててドライブを解放します。

 最後に、環境設定に用いたディスクイメージを取り除く設定を行います。最初に起動したダイアログの FreeDOS を選択状態にし、ハンマーとスパナのアイコンを押下します。
 設定ウィンドウが表示されたら、 Hardware アイコンを押下し、以下のように設定を変更します。変更点は Floppy:Boot from: です。

QEMU Control

 変更が終了したら、 Update PC ボタンを押下します。そして、最初のダイアログの FreeDOS をダブルクリックします。するとウィンドウが表示され、先ほどセットアップしたファイルから FreeDOS/V が起動します。

 ここまでくれば、とりあえず FreeDOS/V の導入は完了です。


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