Last Up Date : 2004-03-28
Since : 2003-03-09

MARS for MS-DOS を WindowsCE 環境で動かす


Agenda.

0.導入
1.DOSエミュレータの導入と日本語化
2.MARS for MS-DOSの導入とカスタマイズ
3.動作に関する検証
4.Tips

<= 1.DOSエミュレータの導入と日本語化 3.動作に関する検証 =>


2.MARS for MS-DOSの導入とカスタマイズ

 日本語の表示ができる DOS 環境さえ準備できれば、 MARS for MS-DOS の導入は非常に簡単です。なにしろ他の環境と同じようにインストールするだけなのですから。しかしおさらいの意味もこめてインストール手順から記述します。インストール後に私なりのカスタマイズ方法についても書きたいと思います。

  1. ダウンロード

     まず当然ですが MARS for MS-DOS の準備をします。これは一時配布元である作者のページ「SWAのWebページ」の「ソフトウェア置き場」からダウンロードしてくるのが一番簡単だし、なにより最新版を手にいれることができるのでお勧めです。すでに MARS for MS-DOS を導入されている方はそのまま流用しても問題ありませんが、念のため最新版が公開されていないかを確認してみるのもよいかもしれません。
     このときCE機上から直接ダウンロードしても問題ありませんが、ファイルは LHA圧縮されていますので、アーカイバを準備する必要があります。LHA形式ファイルを伸張するWIndowsCE用のソフトウェアとしては TascalSoft の「TascalLha」が有名です。余裕があるなら導入することをお勧めします。
     もちろん母艦上でダウンロードし、ファイルを伸張した上で CE機に転送しても問題ありません。むしろ不要なファイルを CE機に置く必要がなくなるのでかえってよいのかもしれません。ファイルの伸長は「MARS for MS-DOS Windows で使うには?」などに目を通しておけばよいでしょう。
     私は母艦上で最新版をダウンロードし、母艦上でのカスタマイズを済ませてから必要なファイルのみ CE機に送るようにしています。

  2. MARS_SD.DAT の「新JIS化」

     本体マニュアルである MARS.TXT の 2-4 でも触れられていますが、もともと MARS for MS-DOS は NEC98 用に作成されていた関係もあり、データファイルの路線名や駅名などのデータの一部が正しい漢字で表示されないことがあります。表示部分が正しい漢字で表示されないだけで動作自体には問題がありませんが、やはり気になるものです。この問題を解決するため MARS for MS-DOS にはデータファイルを変更するためのパッチプログラムが同封されています。 marssdnj.com がそのパッチプログラムです。WindowsCE ではパッチプログラムを適用したときに正しい表示に見えます。せっかくですから正しい表示で利用したいものです。

     パッチプログラムの適用方法ですが、いたって簡単です。 MARS_SD.DAT が存在するディレクトリ(フォルダ)でパッチプログラムを実行するだけです。Windowsであればアイコンをダブルクリックするだけでよいですし、コマンドプロンプト上から実行しても問題ありません。パッチプログラムを実行すると $ARS_SD.DAT というファイルが新たに作成されます。このファイルはパッチ適用前のファイルのバックアップであるため、消してしまって問題ありません。またパッチプログラム自体もプログラム実行には必要ないため消してしまって問題ありません。

     Ver 4.46からデータファイルは新JISが基本となりました。そのためパッチプログラムを実行する必要はなくなりました。

  3. ファイル転送

     いよいよファイルを CE機上に転送します。CE機ではメモリ容量が限られているためできるだけ利用するファイルのみを選んで送りたいものです。
     私の場合 MARS 用のディレクトリを準備して、その場所に必要なファイルを置くこととしました。\Storage Card\DOS\mars (PocketDOS内では c:\DOS\MARS に見える) というディレクトリをつくりファイルを置くことにしました。

     まず最低限必要なファイルを送る必要があるでしょう。以下のファイルが最低限必要となります。


    MARS 本体 v4.52 以降では MARS_DK.DATは利用されなくなりました。よってこのファイルは転送する必要はありません。

     MARS for MS-DOS では駅名の入力を行うごとに履歴として過去20件の駅名を記録し、次回の入力に必要となります。もしすでに他の環境で本体の利用実績があり、この入力履歴を引き継ぎたいなら以下のファイルも転送します。ただしこのファイルは駅名の入力実績が無い場合は存在しない可能性もあります。


     好みによっては路線名や駅名エイリアスを利用している方もいると思います。本体にもサンプルが入っており、そのまま利用している方もいるでしょう。私はエイリアスのほうが候補選択で先に出てくることが邪魔に感じることがあるので利用していませんが。エイリアスを使うのなら以下のファイルも転送します。M型マルスの入力コードの拡張データも駅名エイリアス機能を利用しているので、CE機でも使う気のある方は転送を忘れずに。


     すでに運賃計算結果をファイルに出力したことがある方は計算結果がテキストファイルで存在しているかもしれません。このふぁいるを引き続き使いたいという需要はあまり感じないのですが、念のため。以下のファイルがデフォルトで準備されているファイル名ですので必要であれば転送してください。ただし一度も計算結果を出力したことが無い場合は存在しないかもしれません。


     最後にドキュメント類です。いざというときにあると便利ですので、転送をお勧めしますが、メモリに余裕が無い場合は転送していなくても動作に支障はありません。
     路線コードや接続駅コードを使う人は少ないと思いますが、経路指定でこの数字を入力することにより少ない入力数で路線や接続駅を指定できます。ま、使うことは無いでしょうけどね。


     これで動作に必要なファイルの転送は終わりました。すぐさま動作させたいところですが、せっかくですから使いやすい環境もそろえてしまいましょう。

  4. バッチファイルの作成

     ファイルの転送がすんだらあとは実行するだけですが、せっかくですから使いやすくしておいたほうがよいでしょう。特に画面表示が 640*240 と狭い機種をつかっていると結果表示をさせるときに画面がスクロールしてしまい、全部を見ることができなくなることがあるのです。
     MARS for MS-DOS では画面が狭い機種のためにオプションが準備されています。それはオプション -L なのですが、毎回指定するのは面倒なものです。そのほか私は路線名入力ではエイリアスを使わなくしたり、次接続路線候補でできるだけ余分な候補を表示させないオプションを常用しています。また結果をファイルに出力するときファイル名を指定することにより、実行場所によらず結果出力ファイルの位置を決められるので同様にオプションを利用します。毎回起動時にオプション全部を指定するのは非常に面倒ですのでこの問題を解決するためにバッチファイルを作成してしまいました。

     バッチファイルの構成は非常に単純です。私は以下のような構成にしています。

    mars.bat
    @echo off
    c:\dos\mars\mars.exe -A -V2 -L -O c:\dos\mars\mars_out.txt
    

     このファイルをパスの通っている場所に置きます。私の場合他にもDOSで利用するバッチファイルを作っているので、\Storage Card\DOS\bat (PocketDOSでは c:\DOS\BAT に見える)というディレクトリを準備し、このディレクトリにパスを通してまとめてバッチファイルを置いています。
     実際に実行する時にはバッチファイルから起動されるので、どこからでも起動することができます。


 以上でインストールが終わりました。カスタマイズに関しては好みの問題もあるでしょうから、自分にあったカスタマイズ方法を探ってみてください。とくにオプション設定は使い心地に大きく影響します。これは MARS.TXT を参照したり、一度本体実行時に MARS /? として実行し、オプション一覧を見ておくことをお勧めします。

 さぁ、いよいよ実行です。ちゃんと動くでしょうか。


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